2011年12月28日水曜日
「幸運なめぐり逢い」 山田洋次(映画監督)
月刊「カドカワ」1994年の1月号
総力特集 徳永英明/生きるすべてを賭けて
特別寄稿「幸運なめぐり逢い」
寅さんの甥を演ずる吉岡秀隆が、クラスメートの後藤久美子に、
熱い思慕をよせながらさまざまな事件に出会うという物語は、
1989年にスタートして1992年まで4回にわたり、長い寅さん
シリーズのなかの、いわばミニシリーズのような形で続けられた。
寅さんの恋は、成長し損なった大人の、多分に感傷的かつ滑稽な
ものであって、作曲家山本直純さんのカラッとした抒情味がよく
似合ってた。しかし、若いふたりの激しい思いをどう音楽で表現
するかで悩むうちに、ぼくたちスタッフは徳永英明の音楽にめぐり
逢ったのである。
吉岡君とゴクミの、切ない逢瀬や悲しい別れのシーンに、
この人の音楽は実にピタリとはまってくれて、思わず拍手をしたく
なるほどだった。4回にわたるふたりのシリーズのすべてに、
テーマ音楽のように、僕はこの人の音楽を使わせてもらっている。
いつか徳永英明さんに逢ってお礼を言いたいのだが、いまだに
その機会を持てないのが残念だ。
山田洋次(映画監督)
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