2011年12月31日土曜日

紅白

絢香さんのバックで松浦晃久さんがピアノを弾かれています♪

2011年12月28日水曜日

「幸運なめぐり逢い」 山田洋次(映画監督)


月刊「カドカワ」1994年の1月号

総力特集 徳永英明/生きるすべてを賭けて

特別寄稿「幸運なめぐり逢い」

           
寅さんの甥を演ずる吉岡秀隆が、クラスメートの後藤久美子に、
熱い思慕をよせながらさまざまな事件に出会うという物語は、
1989年にスタートして1992年まで4回にわたり、長い寅さん
シリーズのなかの、いわばミニシリーズのような形で続けられた。

 寅さんの恋は、成長し損なった大人の、多分に感傷的かつ滑稽な
ものであって、作曲家山本直純さんのカラッとした抒情味がよく
似合ってた。しかし、若いふたりの激しい思いをどう音楽で表現
するかで悩むうちに、ぼくたちスタッフは徳永英明の音楽にめぐり
逢ったのである。

 吉岡君とゴクミの、切ない逢瀬や悲しい別れのシーンに、
この人の音楽は実にピタリとはまってくれて、思わず拍手をしたく
なるほどだった。4回にわたるふたりのシリーズのすべてに、
テーマ音楽のように、僕はこの人の音楽を使わせてもらっている。
 いつか徳永英明さんに逢ってお礼を言いたいのだが、いまだに
その機会を持てないのが残念だ。

 
                    山田洋次(映画監督)